こんな横になった親知らずも抜歯してます。
「奥歯のあたりが痛い」「口が開けられない」「頬まで腫れている」 などの症状を感じたことはありませんか。
もしかしたら、それは智歯周囲炎によるものかもしれません。
智歯とは親知らずのことで、智歯周囲炎とは親知らずの周りで起こる炎症を指します。
前述した症状が見られる場合、「奥歯のあたりが痛いけど受診は必要?」 「抜歯をせずに智歯とうまくつきあっていくことはできる?」 などさまざまな疑問があるでしょう。
今回は、そのような疑問を抱える方に向けて、智歯周囲炎とは何なのかについて、原因や症状、治療方法と併せて解説していきます。
予防方法もわかりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
智歯周囲炎とは
智歯周囲炎とは、細菌感染により智歯の周りで起こる炎症のことです。
智歯周囲炎は、智歯が生えてくる10代後半~30代まで人に起こりやすい症状です。
体調がすぐれないときや、体の抵抗力が低下しているときには、智歯周囲炎を起こしやすくなります。
糖尿病やステロイド薬の長期間服用などにより免疫力が低下している方は重症化しやすい傾向にあります。
引き起こされる症状
智歯周囲炎により引き起こされる症状を見ていきましょう。
腫れ
炎症により、歯茎や頬の腫れが見られます。
腫れは、智歯周囲炎の比較的初期の段階から起こる症状です。
腫れがひどくなると、ほかの人から見てもわかるようになります。
痛み
智歯のあたりで鈍い痛みが続き、歯磨きなどの刺激によりさらにズキズキと痛みます。
食べ物を強く噛むときにも痛むことが多く、ひどくなると食べ物を飲み込むのが困難になることもあります。
膿がたまる
炎症を起こした智歯の周りには、細菌とたたかうために血液が多く集まります。
そして、血液中の白血球は細菌とたたかったあとに膿へと変化するのです。
そのため、炎症の範囲が広がると膿がたまります。
開口障害
智歯は、口を開けたり閉めたりするための筋肉の近くにあります。
炎症が広がりその筋肉にまで影響がおよぶと、開口障害が起こり口を開け閉めしにくくなります。
発熱・倦怠感
智歯周囲炎は、ひどくなるとさらに広範囲の炎症が起こります。
炎症が広範囲になると、発熱や全身の倦怠感が見られます。
主な原因
智歯周囲炎は、智歯の周りに細菌が増殖して炎症を起こすことが原因となります。
智歯は横や斜めを向いてしまったり、途中までしか生えなかったりと、歯並びの異常を起こしやすいのが特徴です。
そして歯並びの異常があると、粘膜との間に深い歯周ポケットができやすくなります。
歯周ポケットは汚れがたまりやすく歯ブラシも届きにくいため、智歯の周辺には細菌が増殖しやすくなるのです。
有効な治療方法
智歯周囲炎になったときに自分でできるのは、安静にすることです。
ここでは、歯科医院で行う有効な治療方法をご紹介していきます。
洗浄・消毒
炎症が起こっている部分を生理食塩水などできれいに洗浄し、抗菌作用のある軟膏などで消毒します。
開口障害により口の中の処置が難しい場合には、消毒液によるうがいを併用することもあります。
薬の内服
細菌に対して抗生剤を内服します。
また、炎症を抑えるための消炎剤、痛みを抑えるための鎮痛剤なども使用します。
ほとんどの場合、症状は数日で落ち着くでしょう。
レーザーの照射
レーザーの照射を行うこともあります。
レーザーは、殺菌する作用や治癒を促進する作用があります。
そのため、智歯周囲炎のときにもレーザーの照射は有効です。
切開により膿を出す
炎症により膿がたまると、嚢胞という膿の袋を形成することがあります。
嚢胞がある場合には、切開して膿を出します。
抜歯
洗浄や薬の投与などにより智歯周囲炎の症状は軽快します。
しかし、智歯がある限りは再発を繰り返します。
そのため、治療によって症状が落ち着いてから抜歯するのが一般的です。
予防方法
智歯周囲炎の予防方法をご紹介します。
歯ブラシ
きれいに磨けずに細菌が増殖してしまうと智歯周囲炎を引き起こすため、正しい歯磨きをすることが大切です。
歯磨きのポイントをご説明します。
- ヘッドが小さく毛が柔らかい歯ブラシを使用する
- 斜め45度の角度から歯ブラシを入れる
- 毛先を智歯だけでなく歯茎にも当てる
- 小さく動かすようにして磨く
ポイントを参考に、普段の歯磨きを見直してみましょう。
また、歯ブラシと一緒にタフトブラシを併用するのもおすすめです。
タフトブラシは毛束が1つにまとまっている小さな歯ブラシで、歯科医院や薬局で手に入れられます。
歯ブラシの毛先では届きにくいところをきれいにするのに適しているため、智歯と歯肉の間にある歯垢も除去できます。
睡眠・栄養
体調がすぐれないときや体の抵抗力が低下しているときは、智歯周囲炎を発症する可能性が高くなります。
そのため、普段からしっかりと睡眠時間を確保して栄養バランスの良い食事を摂り、細菌に負けない体づくりをしておくことが大切です。
受診
お口の中の健康を保つためには、歯科受診が基本です。
定期的に健診を受けて、お口全体をきれいにして智歯の状態を確認しておきましょう。
歯並びに異常がある場合には、炎症が起きる前に抜歯してもらうことも可能です。
早めの対応を心がけましょう
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、智歯周囲炎とは何か、その治療方法や予防方法などについてご理解いただけたと思います。
智歯周囲炎の症状がある場合は、早めの受診が必要です。
当院は、予防歯科に力をいれた診療を行っています。
また、智歯周囲炎などのお口のトラブルについても、患者さまの負担ができるだけ少なく済むような方法で行っています。
長崎県大村市で歯医者をお探しの方は、ぜひ大村ファミリー歯科までご来院ください。
2022-06-06 00:00:00
歯の豆知識
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