毛穴のつまりによって生じるニキビは、顔などによくできるものとして広く知られていますが、実は口内にもニキビに似たものが生じることがあるのです。
それは歯茎に生じるもので、白くプツッとしたまさにニキビに見え、治ったと思ってもまた出てくることが多くあります。
この記事では、歯茎にできるニキビの正体と生じる原因、治療法について解説していきます。
「歯茎のニキビがどんなものか知りたい 」「歯茎にニキビみたいなものができたけど、対処法がわからない」そんな方に向けた記事です。
原因と治療法をあらかじめ知ることで、適切に対処できるようにしましょう。
歯茎のニキビの正体
歯茎のニキビとは一体何なのか、その正体や見た目の特徴についてまとめました。
歯茎のニキビってニキビなの?
歯茎にできるニキビのようなもの…。
本記事ではわかりやすいよう歯茎のニキビと呼んでいますが、ニキビは毛穴にできるものなので、歯茎にできているできものは正式にはニキビとは呼びません。
その正体は、フィステルや瘻孔(ろうこう)、サイナストラクトと呼ばれる、年齢を問わず生じる歯茎のできものです。
口内の膿が排出される穴で、歯の根元の先端に膿がたまって生じます。
どんな見た目?
大きさは1~3mmほどで、周辺は赤く中心部分が白っぽい見た目をしています。
口内炎も似たような見た目をしているものの、こちらは触ると痛みがあり、1週間ほどで治るのがほとんど。
それに対しフィステルは、触るだけでは痛みを感じず、強く押すことで少し痛みが出る程度のことが多いです。
急になくなったりする場合もありますが、ほとんどの場合、自然治癒はのぞめません。
歯茎のニキビ(フィステル)ができる原因
歯茎のニキビと呼ばれるフィステルは、何が原因で生じるのでしょうか?
原因1:進行した虫歯
神経が死んでしまうほど進行した虫歯を放ったままにしておくと、歯の根元の先端に膿がたまり、フィステルになることがあります。
原因2:歯周病
歯と歯茎の隙間にいる細菌は、歯周病によって歯と歯茎の隙間を広げていきます。
細菌は隙間を広げるだけでなく、ときにフィステルを発生させます。
原因3:中途半端な根管治療
虫歯が進行すると、汚染された神経をとる根管治療をすることが多くあります。
しかし、
汚染された神経をとりきることができず、歯の根元に細菌が残ってしまい、フィステルが生じることも。
この場合、再度根管治療を行わなければなりません。
原因4:外傷によるもの
転んだりぶつかったりして歯が折れ、歯の神経が死んでしまうことがあります。
そうすると、
歯の根元に膿がたまり、フィステルになることがあります。
原因5:歯が根元から折れる
歯ぎしりや食いしばりのほか、大きな衝撃が加えられると、歯の根元が折れてしまったりしまうことがあるでしょう。
その歯が折れた箇所に細菌が入り込み炎症を起こすと、フィステルが生じることがあります。
フィステルの治療法
普通のニキビであれば自分でつぶしてしまう、という方も多いかもしれませんが、正式にはニキビではないだけでなく、繊細な口のなかのことです。
どのように治療していくのが適切なのか、わかりませんよね。
最後は、フィステルの治療法について見ていきましょう。
やってはいけない間違った対処法と、正しい治療法をそれぞれ見ていきます。
間違った対処法1:自分で膿を出す
肌にできるニキビと同様に、自分で膿を出せば良いと考える方もいるかもしれません。
しかし、フィステルにおいては何の意味もないどころか、感染するリスクが上がってしまう行為なので、やらないようにしましょう。
間違った対処法2:市販薬を使う
歯茎の腫れを抑える効果のある市販の飲み薬や塗り薬を使っても、フィステルには効果がありません。
歯茎の炎症を抑えるような歯磨き粉もありますが、市販薬同様に効果はのぞめません。
以上のことから、フィステルは自分で対処するのではなく、歯科医院での治療が適切だと言えます。
次の項目からは、フィステルの正しい治療法を解説します。
正しい治療法1:根管充填
根管充填(こんかんじゅうてん)とは、神経を取り除いた歯にフィステルが生じた場合の治療法です。
神経を抜いた空洞である根管の内部を徹底的に綺麗にしてから閉鎖することで、細菌が繁殖しない歯にします。
根管充填には以下のような方法があります。
- 最も一般的に使われる、側方加圧法
- 難しめの症例に使われる、垂直加圧法(オピアン法)
- かなり難しい症例に使われる、歯根端切除法
このように、症例に合わせて適切な根管充填法を選び治療します。
正しい治療法2:抜歯
歯が根元から折れて割れてしまっていたり、歯に穴が開いてしまったりしている場合には、抜歯を含む治療をすることも。
また、抜歯して細菌がいる歯の根元の先端を摘出し、歯を元の位置に戻す手術を行うという方法もあります。
フィステルは自分で対処せずに歯科医院へ
本記事を通じて、フィステルがどのようなものか、その原因や対処法が分かっていただけたのではないでしょうか? ニキビと同様の見た目から、自分でつぶしたり放置したりしても良いと感じるかもしれませんが、フィステルは歯科医院で治療しなければ治癒できないものです。
当院では、歯の保存を第一に考えた治療を行っています。
今回紹介したフィステルの治療はもちろん、丁寧かつ精密な根管治療も行っています。
フィステルやそれ以外にも、少しでも口内に気になる症状がある場合は、当院にできるだけ早めにご相談ください。
長崎県大村市で歯医者をお探しの方は、ぜひ大村ファミリー歯科までご来院ください。
2022-10-18 13:48:58
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