子どもの虫歯のなかでも、乳歯の虫歯は「いずれ永久歯に生えかわる」と軽視されがちです。
乳歯はたしかに永久歯に生えかわります。
しかし、虫歯の影響はそのときだけのものではなく、永久歯に生えかわったあとの歯並びや虫歯の発生にまで及ぶこともあります。
今回は、子どもの虫歯を予防するための治療であるシーラントについてまとめました。
「シーラントとは?」「メリット・デメリットは?」「何歳からできるの?」 など、さまざまな疑問があるでしょう。
それらをすべて解決できるような内容となっています。
子どもの虫歯予防に興味がある方、シーラントをご検討中の方は、ぜひ目を通してみてください。
シーラントとはどのような治療か
シーラントの治療内容やタイミング、費用などについてご説明します。
シーラントとは
シーラントとは、
子どもの虫歯予防を目的に行われる治療です。
食べ物を噛むために重要な奥歯に対して行われます。
歯科用の樹脂で奥歯の溝を埋め、汚れや歯垢が付着するのを防ぎます。
使用する樹脂は、おもにグラスアイオノマーやレジンなどです。
対象となるのは、乳歯や生えてきたばかりの永久歯。
乳歯や生えてきたばかりの永久歯は、複雑な溝の形により汚れや歯垢が残りやすいのが特徴です。
その溝を虫歯になる前に埋めることで汚れや歯垢がつかないようにして、子どもの歯を守ります。
奥歯が生えてから3~4年までの間に治療することで、効果が得られます。
シーラント治療の流れ
シーラント治療にかかる時間は、15~20分程度です。
治療の流れを詳しく見ていきましょう。
流れ1.歯をきれいにする
ブラシや機械で歯についた汚れや歯垢をきれいにしていきます。
汚れや歯垢が残ったまま樹脂を流し込んでしまうと、虫歯につながることもあります。
そのため、樹脂を流し込む前に歯をきれいにしておくことは重要です。
歯がきれいになったら、唾液が樹脂と歯の間に入らないように歯を乾かします。
流れ2.歯に薬を塗布する
シーラントをつきやすくするため、
下処理として歯の溝に薬を塗布します。
使われている薬は、主にリン酸です。
歯科医院によっては、スコッチボンドという名前の接着剤などを使用することもあります。
流れ3.樹脂を歯の溝に流し込み固める
樹脂を歯の溝に流し込みます。
特殊な光を当てて、樹脂を固めたら終了です。
シーラント治療はいつ行うのが良いか
シーラント治療は、奥歯が生えてくるタイミングで行います。
子どもの奥歯が生えるタイミングは、主に3回あります。
タイミング1.乳歯が生えたとき
乳歯の奥歯が生えるのは、一般的に3~4歳です。
実際には個人差があるため、2歳のうちから生えている子どももいるでしょう。
しかし、シーラント治療ではお口を一定時間開けたり、薬の味(酸味や苦み)を我慢したりといったことが必要となります。
また、機械や器具への恐怖感が強い段階では治療が困難です。
このような理由から、歯科医院によっては3歳になるのを待ってから、シーラント治療を行うところもあります。
タイミング2.永久歯が生えたとき
奥歯の永久歯が生えるのは、一般的に5~6歳です。
生えてきたばかりの永久歯は虫歯になりやすく、3年程度かけて強くなっていきます。
大人になっても使っていく歯ですから、シーラント治療によって虫歯から守ることが大切です。
タイミング3.第二大臼歯が生えたとき
第二大臼歯が生えるのは、12歳前後です。
6歳臼歯の奥に生える第二大臼歯は、その生える時期から12歳臼歯とも呼ばれます。
意外だと思われるかもしれませんが、第二大臼歯は生えていることに気づかれないこともあるのです。
気づかずに普段のままの歯磨きをしていると、汚れや歯垢が残りやすく虫歯につながることがあるため注意が必要です。
シーラントの費用はどのくらいか
自費診療の場合、1本の歯にかかる費用は1,000~2,000円程度です。
また、保険適用の場合では400円程度です。
乳歯や生えてきたばかりの永久歯に初期虫歯が認められる6~12歳の子どもは、シーラントが保険適用となります。
しかし、虫歯がないのにシーラント治療をする場合や年齢が13歳以上の場合には、保険適用にはなりません。
シーラントの費用は、自治体により無料となることもあります。
お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
シーラントのメリット
シーラントのメリットをご紹介します。
虫歯のリスクが下がる
シーラント治療をすると、
奥歯に汚れや歯垢がつきにくくなります。
奥歯表面の凸凹がなくなることで歯磨きもしやすいでしょう。
歯に汚れや歯垢がついたままになることがなくなれば、虫歯のリスクは下がります。
また、シーラントにはフッ素を含んでいるものもあります。
フッ素と聞いて思い浮かべるのは、フッ素塗布でしょうか。
フッ素塗布は、歯を強くしたり虫歯菌の活動を抑制したりするため、また初期虫歯を治すために行われます。
シーラントに含まれるフッ素は、シーラント治療後、徐々に放出されていきます。
そのため、虫歯予防効果が期待できるのです。
歯を削らずに済む
一般的に、虫歯が進行すると歯を削って治療することが多いです。
削るときのキーンという音は、子どもでなくても嫌なものですよね。
シーラント治療を行うと、
虫歯予防になるため歯を削らずに済むことが多くあります。
また、シーラントの治療自体を行うときに歯を削る必要がないことも、メリットであると言えます。
シーラントのデメリット
次に、デメリットを見ていきましょう。
割れたり外れたりすることがある
基本的に、シーラントは頻繁に埋め直しが必要となるものではありません。
しかし、普通の詰め物と比べると外れやすいです。
食べ物で注意したいのは、ガムやグミなど歯にくっつきやすいものです。
また、シーラントは衝撃により割れることもあります。
シーラントが割れたり外れたりして歯に部分的に残っている場合は、虫歯のリスクが上がる可能性があります。
万一外れた場合は、受診して再び治療を行いましょう。
定期受診が必要
シーラントは、溝を埋めてしまえばそれで終わりではありません。
シーラントは、劣化や衝撃などで割れたり外れたりすることがあります。
また、シーラントの下が虫歯になっている可能性もあります。
歯の表面がシーラントで隠れているので見えにくく、虫歯の発見が遅れることがあるので注意が必要です。
シーラントの割れや外れ、虫歯の有無などを見るために歯科医院の定期受診が大切です。
シーラント治療で子どもの歯を守りましょう
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、シーラントとはどのようなものなのかがおわかりいただけたと思います。
虫歯予防を目的として行われるシーラント治療は、子どもの歯が生えてくるタイミングに合わせて行うのがおすすめです。
当院は、シーラント治療やフッ素塗布のほか、仕上げ磨きの指導 など、子どもの虫歯予防に力を入れています。
長崎県大村市で歯医者をお探しの方は、ぜひ大村ファミリー歯科までご来院ください。
2022-11-22 14:50:06
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