歯周病 は、細菌の感染によって炎症が引き起こされ、歯肉や歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
30歳以上の約8割が患っているほど身近な歯周病ですが、進行すると歯がグラグラしたり、膿が出たり、最後には歯を抜かなければならなくなったりする怖い病気でもあります。
また最近の研究で、歯周病が認知症の発症や悪化のリスクを高めることがわかりました 。
進んだ歯周病を長年放置していて認知症になってしまうのでは…と心配な人、歯周病菌が認知症の原因になる詳しい理由を知りたい人などのために今回は、歯周病と認知症の関係について解説します。
歯周病の予防方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも歯周病とは?
歯周病は、
歯肉のまわりに炎症を引き起こし、最終的に歯を失う原因になる病気です。
もともと口の中には、約400~700種類の細菌が存在しています。
細菌といっても、普段は悪さをすることはほぼありません。
しかし日々の歯磨きが十分でなかったり、砂糖を過剰に摂取したりすると、歯の表面にネバネバとした歯垢がたまります。
この歯垢には、1mgに約10億個の細菌がすみついているといわれています。
歯垢を放っておくと、やがて歯石という石灰化した塊に変化していくのです。
そして、歯垢や歯石の中で大量に繁殖した細菌によって、歯肉に炎症を引き起こされる病気が歯周病です。
歯周病になると歯肉のまわりが炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが、ほとんどの場合、痛みがないのが特徴です。
そして歯周病が進行すると歯が揺れたり、膿が出たり、歯を支えている骨が溶けたりし、最終的には歯を失ってしまいます。
歯周病とアツルハイマー型認知症の関係とは?
結果的に歯を失う原因になる歯周病ですが、その影響は口の中に留まりません。
実は、
最近の研究から歯周病がアルツハイマー型認知症の発症や悪化のリスクを高めることわかってきました。
認知症には4つの種類がありますが、中でも患者数が最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
歯周病がアルツハイマー型認知症の原因に
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積することで発症します。
アミロイドβは、健康な人の脳にも存在しますが短期間で排出されます。
しかし、何らかの理由で排出されずに蓄積すると、脳細胞が壊されて、脳の認知機能が低下してしまうのです。
アミロイドβが脳に蓄積される原因は全て解明されている訳ではありませんが、ある大学によるマウスを用いた研究によって、歯周病菌がアミロイドβの産出・蓄積を促進させるメカニズムが判明しました。
つまり、アルツハイマー型認知症の発症や悪化に歯周病菌が直接的に関与している可能性があると考えられるのです。
特に45歳以上は歯周病に要注意!
日本の成人の約8割が罹患しているといわれる歯周病。
2016年に行われた歯科疾患実態調査によると、
特に45歳以上の約半数の人が歯周病であるという調査結果が得られています。
そして実は、先ほどのマウスを用いた研究において、若いマウスと中年マウスの両方に歯周病菌を慢性投与したところ、アミロイドβが蓄積したり、認知症のような症状を発症したりしたのは中年マウスのみだったという結果が得られています。
つまり、
歯周病を原因とするアルツハイマー型認知症の発症や症状の悪化は、誰にとっても他人事ではないということです。
認知症は、20年以上の長い期間をかけて発症にいたる場合もあります。
そのため特に45歳以降は、歯周病にならないよう予防対策を行う必要があるといえるでしょう。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するには、歯垢がたまらないよう口の中を清潔に保つことに尽きます。
そして口の中を清潔に保つためには、毎日のセルフケアと定期的な歯科受診が大切です。
歯磨きによるセルフケア
毎日の正しい歯磨きにより、歯の表面を歯垢のない清潔な状態に保つことは歯周病予防の第一歩です。
歯垢は粘着性が高く、強くうがいをしても落とせるものではありません。
正しいブラッシング方法で歯を磨き、歯垢を除去しましょう。
特に歯垢のたまりやすい以下の部分は重点的に磨くことが大切です。
- 歯と歯の間
- 歯の表面にある小さな溝
- 歯と歯肉の間にある溝(歯周ポケット)
定期的な歯科受診
日々のセルフケアとともに大切なのが、
歯科医院で定期的なメンテナンスを行うことです。
歯科医院では、歯磨きでは落としきれない歯石の除去や歯科衛生士による歯面清掃などの歯のクリーニングを行って歯周病を予防します。
また、歯科医院で行っているブラッシング指導を受け、歯磨きの正しい方法を習得することも歯周病予防に効果的です。
毎日歯磨きをしているのに歯周病や虫歯を繰り返している人は、歯科医院でのブラッシング指導を受けることをおすすめします。
歯周病を予防して健康的な生活を
いかがだったでしょうか? 歯周病がアルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることをおわかりいただけたと思います。
歯周病を原因とするアルツハイマー型認知症の発症を防ぐためには、毎日の正しい歯磨きと定期的な歯科受診で口の中を清潔に保つことが大切です。
当院では、歯石除去や歯科衛生士による歯面清掃、ブラッシング指導などを行っています。
長崎県大村市で歯医者をお探しの方は、ぜひ大村ファミリー歯科までご来院ください。
2022-12-06 13:51:26
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