近年「予防歯科」という言葉をよく耳にするようになりました。
日本でも、歯科は治療するための場所、という考え方が変わりつつあります。
ですが、海外と比較すると予防歯科の考え方がまだまだ浸透していないのが日本の現状です。
そこで今回は、予防歯科の目的や重要性、歯科で行うPMTCというメンテナンス内容について解説します。
虫歯にもなっていないのに、歯科へ通院するなんて面倒だと思っていませんか?
でも虫歯になってからでは遅いのです。
予防歯科を始めたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
予防歯科の目的とは
予防歯科は、
口の中で起こりうるトラブルを未然に防ぎ、健康な歯を維持していくことを目的としています。
1本でも多く歯を残すことにはメリットが多くあり、食生活を豊かにするだけでなく、全身の健康維持へ繋げることも可能です。
しかし、日本人は予防歯科に対する意識がまだまだ低い現状があります。
虫歯の予防先進国と呼ばれるスウェーデンでは、1970年代から予防歯科の重要性が注目され、定期チェックを受けることが義務化されています。
結果、2013年の時点でスウェーデンの80歳以上に残存する歯の平均本数は21本と、非常に高い水準です 。
歯科へ定期的に通院する割合も国民全体で非常に高く、予防歯科に対する習慣ができていることが分かります。
日本でも1989年より「8020運動」という活動が推進されていることはご存じでしょうか。
80歳で20本歯が残っている人の割合を50%にしようという取り組みです。
2016年の歯科疾病実態調査の結果では、8020運動の達成者は51.2%と目標達成はされました。
しかし、定期チェックをおこなっている人の割合は、歯科へ通院している人の30%程度で、国民全体での割合ではありません。
日本では習慣となるまでに至っていないことが分かります。
習慣化を目指して、次は予防歯科の重要性も理解していきましょう。
予防歯科の重要性
予防歯科には多くのメリットがあります。
メリットが理解できれば、その重要性もおのずと分かるはずです
一緒に確認していきましょう。
メリット1:虫歯などの病気を早期発見できる
虫歯の初期段階は痛みがなく、自分では気づきにくいのが特徴です。
歯周病は、歯がグラつくまで気付かないということもあります。
どちらにしても、
予防歯科により早期に発見できれば最低限の治療ですむため、歯を失う結果までに至ることはほぼありません。
メリット2:健康な歯をキレイに維持できる
予防歯科は虫歯などの問題を見つけるだけではありません。
それでは歯科検診と一緒になってしまいます。
予防歯科は、
健康な歯を維持することが一番の目的です。
よって、健康な歯に対するメンテナンスを行っていく必要があります。
メンテナンスとして行うのが、日々のセルフケアと歯科で行うプロケアです。
プロケアの中でメインとなるのがPMTCと呼ばれるメンテナンスです。
予防歯科でセルフケア、プロケアの両方を行っていれば、歯本来の白さも維持できるので、見た目もキレイに維持することができます。
メリット3:健康寿命を延ばすことができる
歯の残存本数が多いほど健康寿命が延びることが近年の研究で分かってきました。
また、歯の残存本数が少ない人ほど、認知症になるリスクが高くなることも分かっています。
したがって、予防歯科で健康な歯を残すことは、老後の生活の質を向上させ、健康寿命を延ばすことができるのです。
メンテナンスの内容
メンテナンスには、日々自分でおこなうセルフケアと歯科の専門家により行うプロケアがあります。
主なプロケアの内容
- ・口腔内検査で歯や歯茎の状態をチェック
- ・口の中の状態に合わせた歯磨き指導
- ・スケーラーという器具での歯石の除去
- ・PMTCによる歯垢の除去
- ・歯垢が溜まりやすい溝を樹脂で埋めて虫歯を防ぐシーラントという処置
- ・高濃度のフッ素を塗布
上記が、専門医に行ってもらうプロケアの内容です。
自宅で行うセルフケアは、歯磨き指導を受けた内容を日々自分で実践することになります。
最後は、プロケアで行われるPMTCについて解説していきます。
PMTCとは?
聞きなれない言葉のPMTCですが、実は歯科医院へ通院している人ならほとんどの方が経験したことがあるであろうケアの一つです。
Pはプロフェッショナル(歯科医師、歯科衛生士)、Mはメカニカル(機械的)、Tはトゥース(歯)、Cはクリーニング(清掃)の略語で、プロによる機械的な歯の清掃を指します。
専門的な機械を使用するので、歯磨きでは落とすことの難しい歯石や磨き残した歯垢を落とすことが可能です。
強力な電動歯ブラシのような機械で、歯の表面を磨かれた経験はないでしょうか?
そのケアがPMTCです。
また、スケーラーという歯石を取る機械を使用するケアもPMTCの一部となります。
フッ素入りの研磨剤で歯の表面の歯垢を除去し、スケーラーで歯の間や歯と歯肉の間にある歯石取り除くことがPMTCのメイン作業です。
表面を磨く目的は、口の中で繁殖した菌が作るバイオフィルムを剥がすことです。
バイオフィルムが剥がれた歯はツルツルの状態となり、新たな汚れや菌が付着しにくい状態となります。
歯の表面も歯間も清掃したら、最後に高濃度のフッ素を塗布します。
清掃された歯はフッ素を取り込みやすい状態となっているため、定期的にPMTCを行うことが大切です。
高濃度のフッ素を定期的に取り込むことで歯面が強化され、結果的に口腔内のトラブルが起きにくい環境へと整えることが可能となります。
歯石についてより詳しく知りたいという方は、別途コチラの「
歯石とは?歯垢との違いや白い歯石と黒い歯石の違いを紹介」の記事をご覧ください。
健康な歯を守るためには「予防歯科」が大切
今回は予防歯科の目的や重要性、メンテナンスのPMTCについて解説しました。
健康寿命を延ばすことも可能な予防歯科、あなたも始めてみてはいかがでしょうか。
当院では、基本に忠実かつ丁寧な治療を通じて患者様への負担の少ない施術を行います。また予防歯科にも注力しており、患者様の天然の歯を守るべく歯のケアに対しての指導も行っております。
歯医者をお探しなら、ぜひ
長崎県大村市の大村ファミリー歯科へご来院ください。
2023-05-09 14:34:00
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